学びたいのに学べないのはなぜ?──社会人が"続かない"本当の理由と、時間の作り方

学びたいのに学べないのはなぜ?──社会人が"続かない"本当の理由と、時間の作り方

「今年こそ学び直そう」と決めたのに、いつのまにか教材を開かなくなっていた——。そんな経験があっても、自分を責める必要はないかもしれません。続かないのは意志の弱さではなく、環境側の壁が大きい可能性があるからです。

社会人が学び直しに踏み出せない理由を調べた調査を見ると、つまずきの正体は主に3つに整理できます。お金・時間・方向性です。いずれも「やる気があるかどうか」よりも、置かれた状況に左右されやすいものでした。

この記事では、社会人のリスキリングの実態を調べた調査をもとに、続かない本当の理由を3つの壁として整理します。そのうえで、今日から無理なく始めるための時間の作り方までをまとめました。数字は一つの調査の結果なので、「必ずこうなる」ではなく「こういう傾向がある」という目安として読んでください。

リズ
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学び・資格分野を中心に情報発信を行うWebメディア運営者。初心者向けの資格情報、後悔しにくい講座選び、学習継続のコツなどを中心に発信。YouTubeでも、学び・資格取得に関する情報を5年以上発信しています。
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増尾 祐弥
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Manap 編集長。様々な人材紹介会社を経て、2020年1月に独立。転職・スキルアップ・資格・副業・キャリア分野を中心に、Webメディアの企画・編集・監修を行う。学び・資格ジャンルのWebメディアを複数運営し、SEO記事・比較記事・初心者向けコンテンツを継続発信。YouTubeチャンネル「Manap」に出演。
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  • 2026.07.05 公開 記事を公開しました。

学びたいのに動けない──3つの壁

学び直しを止める3つの壁 学び直しを止める3つの壁 お金・時間・方向性が、重なって効く お金 時間 方向性 第1位はお金で半数近く。平均2つ以上が重なって効きます スキルアップ研究所調べ(一調査の結果)

まず、学び直しに取り組めない理由から見ていきます。ある調査では、最も多かったのは「金銭的な余裕がない」で、回答者の半数近く出典リスキリング未取組の社会人への調査で、取り組まない理由の第1位が金銭面だったという結果。出典:スキルアップ研究所2026年7月時点。最新は公式で確認。が挙げていました。次いで「何を学べばいいのかわからない」という方向性の悩み、さらに「仕事が忙しく時間の余裕がない」と続きます。

ここで大事なのは、これらがどれか一つではなく、重なって効いているという点です。同じ調査では、理由を複数回答で聞くと1人あたり平均して2つ以上が挙がっていました。お金がないうえに時間もなく、しかも何から手をつければいいか分からない——そんな状態なら、動けなくて当然とも言えます。

つまり、つまずきの多くは「やる気が足りない」からではなく、お金・時間・方向性という条件がそろっていないことから来ています。次の章からは、この中でも実感しにくい「時間」の壁を掘り下げます。

「時間がない」は気のせいじゃない

足りない自由時間 足りない自由時間 「時間がない」は気のせいじゃない いまの自由時間 残業を除く自由時間が週15時間以内=約7割 満足に学ぶのに必要な時間 いまと同じ +もう約1倍 =約2倍 スキルアップ研究所調べ(一調査の結果)

「時間がない」という感覚は、単なる言い訳ではなさそうです。同じ調査によると、残業を除いた自由時間が「週15時間以内」という人が7割近く出典仕事以外に使える自由時間について、週15時間以内と答えた人がおよそ7割にのぼったという結果。出典:スキルアップ研究所2026年7月時点。最新は公式で確認。を占めていました。単純にならすと1日あたり2時間ほどで、そこから学びの時間をひねり出すのは簡単ではありません。

さらに、満足に学ぶには今の約2倍の自由時間が必要出典満足に取り組むために追加で必要な自由時間を尋ねたところ、現状のおよそ倍に相当する回答が中心だったという結果。出典:スキルアップ研究所2026年7月時点。最新は公式で確認。という回答も見られました。足りないと感じている時間は数字のうえでもかなり大きく、「気合いでなんとかする」には無理がある水準です。

言い換えれば、時間の壁は個人の頑張りだけで埋めるには大きすぎることが多いということです。だからこそ、限られた時間をどう守り、どう小さく使うかが現実的なカギになります。

続かないのは、あなたのせいじゃない

条件が変われば動ける 条件が変われば、動ける 外部条件が整うと、前向きな人が増える 会社の費用補助 約7割 資格・方向性を明示 約8割 費用の負担が減り、方向性が定まると動きやすい(前向きな人の割合) スキルアップ研究所調べ(一調査の結果)

ここまで見てきた壁は、裏を返せば「条件が変われば動ける」ことも示しています。同じ調査では、環境しだいで前向きになる人がはっきり増えていました。

たとえば、会社の費用補助があれば7割近くが前向きに検討出典勤務先の費用補助があった場合に「取り組む」「前向きに検討する」と答えた人がおよそ7割にのぼったという結果。出典:スキルアップ研究所2026年7月時点。最新は公式で確認。すると答えていました。さらに、取り組むべき資格や内容が会社から示されれば約8割が前向き出典推奨資格や取り組むべきことが勤務先から明示された場合に、前向きな回答がおよそ8割に達したという結果。出典:スキルアップ研究所2026年7月時点。最新は公式で確認。になるという結果も出ています。

お金の負担が軽くなり、方向性がはっきりする——たったこれだけで、動ける人が大きく増えるわけです。これはつまずきの多くが、本人のやる気ではなく環境側にあったことをうかがわせます。うまく続かなかったとしても、それはあなた一人の責任ではありません。

編集者の視点

"続かない"は意志ではなく設計の問題

費用補助や指針の明示があれば7〜8割が前向きになる——このデータは、障壁が個人の内側ではなく環境の側にあることの傍証だと私は考えています。だとすれば、必要なのは「もっと頑張る」ことより、続けやすい仕組みを自分の側で少しずつ整えることです。会社の制度が変わるのを待たなくても、費用の負担を減らす公的な支援を探す、学ぶ内容を先に一つに絞る、といった形で環境の一部は自分で動かせます。

それでも、今日から始める時間の作り方

時間を守る3つのコツ 時間は「足す」より「守る」 今日からできる3つのコツ 1 細切れ時間を 使う スキマの5〜10分を 積み重ねる 2 睡眠は 削らない 削ると集中も定着も 落ちてしまう 3 完璧を 目指さない できない日はOK。 軽い一歩から

環境が大きいとはいえ、今日からできることもあります。ポイントは、時間を「新しく足す」のではなく、今ある時間を守り、小さく使う方向で考えることです。

まずは細切れの時間から始めてみてください。通勤や休憩、寝る前の10分でも、動画を1本見る、用語を3つ覚える、といった単位なら続けやすくなります。まとまった2時間を探すより、5〜10分のスキマを拾い集めるほうが、忙しい社会人には現実的です。

一方で、睡眠を削って時間を作るのはおすすめしません。睡眠を減らして捻出した時間は集中力が落ちやすく、学んだ内容も定着しにくいため、割に合わないことが多いからです。時間は「無理に足す」より「今あるものを守る」ほうが、結果的に続きます。

そして、「毎日完璧に」を目標にしないことも大切です。できない日があっても構わない、という前提で始めたほうが、途切れても戻ってこられます。最初の一歩は、教材を1冊買う、講座に資料請求する、といった軽い行動で十分です。動き出しのハードルを下げることが、続ける最大のコツです。

なお、費用がネックになっている場合は、公的な給付金や支援制度を使える可能性があります。制度の詳しい中身は給付金・支援制度の記事で整理しているので、あわせて参考にしてください。

よくある質問(FAQ)

Q. 学びが続かないのは、自分だけなのでしょうか?

いいえ。リスキリング未取組の社会人を対象にした調査によると、取り組まない理由として金銭・時間・方向性が上位に並び、しかも1人あたり平均で2つ以上の理由が重なっていました。続かない状態は珍しいものではなく、複数の壁が同時に立ちはだかっている結果だと考えられます。

Q. 時間がない中で、どう始めればいいですか?

まずは細切れの時間から始めるのが現実的です。同じ調査では、自由時間が週15時間以内という人が7割近くを占めていました。まとまった時間を探すより、通勤や休憩などの5〜10分を積み重ねるほうが、忙しくても続けやすくなります。

Q. 睡眠を削ってでも勉強時間を作るべきですか?

おすすめしません。睡眠を減らして作った時間は集中力が落ちやすく、学んだ内容も定着しにくくなりがちです。時間は無理に足すより、今ある時間を守って小さく使うほうが、結果的に長続きします。

Q. お金に余裕がなくても学べますか?

工夫の余地はあります。調査では、会社の費用補助があれば7割近くが学びに前向きになるという結果が出ており、費用の負担が大きな壁になっていることがうかがえます。公的な給付金や支援制度を使える場合もあるので、費用面から検討するのも一つの方法です。

まとめ

学びが続かない背景には、お金・時間・方向性という3つの壁があり、いずれも本人のやる気より環境側の要因が大きいことが調査からうかがえました。費用補助や方向性の明示があれば7〜8割が前向きになるという結果は、それが個人の問題ではないことを示しています。

だからこそ、うまくいかなくても自分を責める必要はありません。時間は足すより守り、完璧を目指さず小さく始める——その一歩から、少しずつ環境を整えていけば十分です。

出典・参考データ

  • スキルアップ研究所:リスキリングに取り組む際の課題に関する実態調査:公式サイト

※スキルアップ研究所(学研ホールディングス/ベンド)調べ。数値は調査時点のものです(2026年7月時点で確認)。